民泊新法に必要な消防法令適合通知書の取得とその流れ

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民泊新法(住宅宿泊事業法)の施行に伴い、民泊の届出をするにはあれこれと書類を揃える必要がありますよね。
書類の数は10種類以上を超え、もう何がなんだかわからなくなっている方も大勢います。
必要書類の一覧を見て、とりわけ手間のかかりそうだなと思っているのが「消防法令適合通知書」ではないでしょうか。

民泊をはじめるには消防法令上、ゲストの安全が確保されるように、施設の使用区分や規模や階数等に応じて消火器、自動火災報知設備、誘導灯、防炎物品等を使用することとしています。
この条件に適合すると「消防法令適合通知書」が交付されるのです。

「役所だから仕事遅いだろ?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、行政の努力のおかげで思ったほど消防法令適合通知書の交付を受けるまで手間や時間がかからないようになっているのです。
行政も民泊事業者にできるだけ負担をかけないように、かつ最低限の安全性を確保できるように仕組みを考えてくれています。

そこで今回は消防法令適合通知書の取得方法や交付されるまでの流れをお伝えしますので、ぜひ参考にしてくださいね。

1.交付の申請をする前に知っておくべきコト

消防法令適合通知書の交付の申請をする前に、必要設備を整えておく必要があります。
建物の種別によって、必要設備(消火器、自動火災報知設備、誘導灯、防炎物品等)が異なりますのでまずはどの種別に該当するのかを確認しましょう。

あなたの施設が消防法令上の宿泊施設と一般住宅どちらにあたるのかということを見極めるのがポイントです。

一戸建て住宅で民泊を行う場合

一戸建て住宅で民泊を行う場合人を宿泊させる間当該住宅に家主が不在となる場合、もしくは宿泊室の床面積の合計が50m²を超える場合には宿泊施設です。
人を宿泊させる間家主が不在にならず、かつ宿泊室の床面積の合計が50m²以下の場合には一般住宅となります。

図:消防庁資料

消防法令では、家主居住型で宿泊室の面積が50m²以下の民泊の場合は一般住宅として取り扱いますが、それ以外の民泊の場合は出火危険性や避難困難性等が高まることが懸念されるため、宿泊施設と同様に取り扱い、自動火災報知設備等の設置を求めています。

共同住宅で民泊を行う場合

共同住宅で民泊を行う場合個々の住戸に一戸建て住宅と同様の基準を適用し、棟の9割以上の住戸が宿泊施設扱いの場合には宿泊施設9割未満の住戸が宿泊施設扱いの場合には複合施設全ての住戸が一般住宅扱いの場合には共同住宅となります。

図:消防庁資料

1-1.一般住宅・宿泊施設・共同住宅それぞれに必要な設備

一般的な消防法に定められている設備は次の通りです。
しかしながら、各自治体の条例で別途定められている場合もあります。

一般住宅 宿泊施設 共同住宅
消火器 ・延べ面積150㎡以上のもの
・地階、無窓階、3階以上の階が床面積50㎡以上
同左
自動火災報知設備 面積関係なく全てに必要 ※3 延べ面積500㎡以上のもの
住宅用火災警報器 寝室等に設置 - ※4 自動火災報知設備があれば不要
誘導灯 面積関係なく全てに必要 地階、無窓階、11階以上の階
スプリンクラー設備 ・11階以上のもの
(一定の要件を満たす場合は免除場合も)
・延べ面積6000㎡以上など
11階以上のもの
消防設備等の点検報告 点検を年2回
報告が年1回
点検を年2回
報告が3年に1回
防火管理 ※1 建物全体の収容人数が30人以上のもの 建物全体の収容人数が50人以上のもの
防災物品の使用
※2
面積関係なく全てに必要 建物の高さが31mを超えるもの

※1 防火管理者の選任、消防計画の作成など
※2 カーテンやじゅうたん等
※3 2F建て以下で延べ面積300㎡未満の建物は特定小規模施設用自動火災報知設備でも可
※4 宿泊施設は面積に関係なく自動火災報知設備の設置が必要なので住宅用火災警報器で対応することができません。

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1-2.複合用途建物に必要な設備

複合用途
消火器 ・延べ面積150㎡以上のもの※3
・地階、無窓階、3階以上の階が床面積50㎡以
自動火災報知設備 ・延べ面積300㎡以上のもの
宿泊施設部分が全体の10%以下の場合は、宿泊施設の部分のみの設置でOK ※4
・延べ面積300㎡未満のもの 
宿泊施設の部分のみの設置でOK
住宅用火災警報器 自動火災報知設備があれば不要
誘導灯 面積関係なく全てに必要
スプリンクラー設備 ・11階以上のもの
(一定の要件を満たす場合は免除場合も)
・延べ面積3000㎡以上など
消防設備等の点検報告 点検を年2回
報告が年1回
防火管理 ※1 建物全体の収容人数が30人以上のもの
防災物品の使用
※2
建物の高さが31mを超えるもの、又は宿泊施設部分

※1 防火管理者の選任、消防計画の作成など
※2 カーテンやじゅうたん等
※3 宿泊施設部分と共同住宅部分のそれぞれの面積で判断をします。
※4 つまり、宿泊施設部分が全体の10%以上を占める場合は建物全体に自動火災報知設備の設置が必要になります。

2.消防法令適合通知書の交付までの流れ

消防法令適合通知書の交付までの流れは以下のようになっています。

1.管轄の消防署へ申請
2.消防法令適合状況の調査
3.消防法令適合通知書の交付

では、各項目の詳細に入っていきましょう。

2-1.管轄の消防署へ申請

所定の様式により交付申請します。
「〇〇市(自治体名) 消防法令適合通知書交付申請書」と検索すると交付申請書を見つけることができます。

申請方法民泊の申請者の全員が消防法について詳しいわけではないですよね。
ですから図面等をもとに必要となる設備(消火器や自動火災報知設備等)の設置状況等を確認するため、消防署での対面相談を行うことが一般的です。電子申請で受け付けている自治体もあります。
各自治体の申請方法を核にするようにしましょう。

2-2.消防法令適合状況の調査

消防法令適合状況の調査管轄する消防署が立入検査等を実施し、消防法令への適合状況を調査します。
立入検査の所要時間15~30分程度とそれほど時間がかかりません。検査日程の調整方法申請者の希望をもとに調整してもらえるので、消防署が抜き打ちで検査にくるというようなことはありませんので安心してくださいね。

2-3.消防法令適合通知書の交付

消防法令適合通知書の交付消防法令適合通知書の交付調査の結果に基づき、消防法令に適合していると認められると、いよいよ「消防法令適合通知書」が交付されます。

申請から交付までどの程度の時間がかかるかというと1~7日程度です。
立入検査に問題がなければ1~2日程度で交付されることもあります。
また改善する必要がある場合でも7日以内に交付するようにしています。

申請から交付まで思ったよりも早い!と思われた方もいらっしゃるでしょう。
それは各自治体も早く交付しようと頑張ってくれているからなのです。
では、素早く交付するための取組を最後にご紹介しましょう。

3.円滑に処理をすすめるための取組例

消防法令適合通知書の申請・交付の処理をスムーズに行うために様々な取組を行っています。

取組例1.申請の多い消防署の申請受付要員の増員
取組例2.受付を来署に限らず、郵送・電子メール・代理人による持参もOKとしているところも
取組例3.事業者向け説明会での消防法令に関する説明の実施し、書類や検査を簡略化

ご紹介するのはあくまで例であり、すべての消防署で行っているわけではありません。
しかしながら、このような取組は各消防機関と広く共有するようにしており、今後も消防法令適合通知書の手続きはどんどん便利なものになっていくことでしょう。

まとめ

消防法令適合通知書についてまとめました。
一般住宅に該当すると、必要な設備は住宅用火災警報器のみなのですね。
消防法令適合通知書の交付を受けるには、消防署の立入検査などもありますが手続きが簡素化される流れになっているので1週間もあれば交付されることでしょう。

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