いよいよ住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)が始まりました。
さて空き家の活用であったり、投資目的として民泊事業を始めようとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はなんとなく民泊事業を始めてみようかな?というくらいの方でもわかるように
民泊施設のお風呂の設置基準や現状などについてご説明します。ぜひ参考にしてください。

1.許可や届出の種類によって基準が異なる

民泊事業を行うときには、旅館業の営業許可の取得もしくは住宅宿泊事業者の届出をする必要があります。この2つの違いなど詳細をお知りになりたい方は下記リンク先をご参考ください。

そもそも民泊ってなに?定義から学ぶ民泊の基礎知識

つまり、旅館業の営業許可の場合は旅館業法。
住宅宿泊事業者の届出で民泊事業を行う方は住宅宿泊事業法に沿って運営を行う必要があるのです。
ではさっそく、この2つ法律の中でお風呂の扱いはどうなっているのか見ていきましょう。

1-1.旅館業の営業許可の場合

まず旅館業の営業許可には、4つの種類があります。

(1)ホテル営業
(2)旅館営業
(3)簡易宿所営業
(4)下宿営業

民泊事業をしようとされている方の多くは、簡易宿泊所営業の許可を取得されるので、ここでは簡易宿泊営業にしぼって、ご説明しますね。
まずは法律を見てみましょう。

旅館業法施行令(第一条 一部抜粋
…簡易宿所営業の施設の構造設備の基準は、次のとおりとする。
(略)
四 当該施設に近接して公衆浴場がある等入浴に支障をきたさないと認められる場合を除き、宿泊者の需要を満たすことができる規模の入浴設備を有すること。
(略)

と、「近所に銭湯があったりして、宿泊者がお風呂に困らない環境であれば別にお風呂はなくてもいいよ。」と受け止められるような文言が書かれています。

ちなみに近隣とは半径250m程度と言われています。
しかしながら、現状として営業許可をするかどうかというのは自治体の判断になります。
「いやいや近所に銭湯があるので、法律の要件満たしてるじゃないですか!」
と中には反論したい人がいるかもしれませんが、昨今の銭湯事情を考えるとなかなか難しい問題です。

昔と違って銭湯の数は減少の一途を辿っています。
仮に宿の隣に銭湯があったとしても、いつ無くなってしまうかわかりませんよね?そうなると基準が満たせなくなりあなたは簡易宿泊所の営業ができなくなってしまいます。
もしくは慌てて改築しますか?そうなると予定外の大きなコストがかかってしまいます。ですから、これから簡易宿泊所を営業されるかたは入浴設備を最初から備え付けるべきなのです。

1-2.住宅宿泊事業者の届出の場合

では引き続き住宅宿泊事業者の場合も法律を見てみましょう。

住宅宿泊事業法第二条 (一部抜粋)

この法律において「住宅」とは、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する家屋をいう。一 当該家屋内に台所、浴室、便所、洗面設備その他の当該家屋を生活の本拠として使用するために必要なものとして国土交通省令・厚生労働省令で定める設備が設けられていること。

住宅宿泊事業者の場合は簡易宿泊所と異なり、はっきりと「浴室は必要!」と明記されています。ですから、近所の入浴施設で代用といったことはできません。

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2.民泊施設に浴槽はいる?いらない?

入浴施設とはいってもシャワーだけでよいのか、それとも浴槽まで備え付けなくてはならないのか。民泊事業に向けてリフォームを考えている方には大きく頭を悩ませている問題でしょう。

このシャワーだけでいいのか問題についても、簡易宿泊所営業なのか住宅宿泊事業者なのかで答えが分かれます。

2-1.簡易宿泊所営業の場合

各自治体の保健所に問い合わせることが確実です。
旅館業の許可申請先は各自治体の保健福祉事務所になります。
ちなみに現在の簡易宿泊所事情はどのような感じかというと…
簡易宿泊所の場合、だいたい定員10人に対して1つの浴室を設置しなくてはなりません。割と多くの自治体がシャワーのみでOKと判断をしています。

2-2.住宅宿泊事業者の場合

住宅宿泊事業者の場合はシャワーのみでも構いません。
こちらは観光庁主催の民泊制度ポータルサイト「minpaku」にてしっかりと書かれています。

設備の機能

これらの設備は、必ずしも独立しているものである必要はなく、一つの設備に複数の機能があるユニットバス等も認められます。
また、これらの設備は、一般的に求められる機能を有していれば足ります。例えば、浴室については、浴槽が無くてもシャワーがあれば足り、便所については和式・洋式は問いません。

さて、最後に実際の利用者は民泊のお風呂についてどのように考えているのでしょうか。

3.実際の民泊利用者に聞くお風呂事情

民泊をよく利用されている方からこんなお話を聞きました。

いろいろな民宿に泊まりましたが、共通していることは、お風呂がそれほど広くないです。
自宅のお風呂よりは全然広いですが、3~4人くらいしか、入れません。
シャワーも少ないので、誰かが入っている時は避けて、時間が経過してから入ります。

民泊はホテルや旅館と比較して、何よりも料金が魅力的です。
利用者の多くは「寝るところさえあればいい。」「民泊とホテルが同じ値段だったら、ホテルを選ぶ。」といった考えがあります。
ですから、「安いからある程度の不自由は仕方がない」と納得しているところがあります。水回りに整備にはお金がかかりますよね。
実際、民泊事業者の方の多くはそこまでお風呂に力を入れていないのが現状のようです。

まとめ

今回は民泊施設のお風呂事情について説明しました。

・簡易宿泊所…場合によっては浴室はいらない。しかしあることに越したことはない。
・住宅宿泊事業者…浴室は絶対に必要。しかし、シャワーのみでも可。

民泊施設の多くは、行政の基準を満たす最低限の設備のところがほとんどのようです。逆に言えば、お風呂は「民泊だから期待していなかったけれども、お風呂がすごかった!」とクチコミで施設の評判になりやすい部分だと言えるでしょう。

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