簡易宿泊所は決して誰にでも簡単に開業できるものではありません。
最大のネックは用途地域なのです。
住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)が施行されたものの、民泊新法による届出では180日制限があったりして大きなビジネスチャンスと考えている方にはやや不満が残る内容となっています。

そこで、思い切って簡易宿泊所の営業許可を取得しようとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

確かに簡易宿泊所営業の場合が、営業日数の制限がなく魅力的に見えますね。

しかし、簡易宿泊所が営業できる地域が限られているのはご存知でしょうか?
今回は各用途地域の説明から、簡易宿泊所が営業できる地域についてまとめました。ぜひ参考にしてください。

1.実際に用途地域の確認不足で失敗した人がいる!

実際に失敗したといている方のお話を聞きました。

部屋が一部屋空いているから、ちょっと改造すれば3部屋位できると思っても、大抵の住宅街は低層地域です。
私の場合、それが理由で許可が下りませんでした。
実際に用途地域を確認しないで改装などしてしまう方がいるようです。
確かに静かな住宅街に見知らぬ観光客が頻繁に訪れる事はやぶさかではありません。
しかし国道付近の住宅なら、ちょっと融通が利いても良いような気がしますけどね。

この方は、低層地域のための簡易宿泊所の営業許可がおりませんでした。
ここで出てくる低層地域とは用途地域の中で区分されている種類のひとつです。
では、次章で用途地域について学んでいきましょう。

2.低層地域?そもそも用途地域って何なの?

用途地域の説明をまず先にしましょう。

用途地域とは…

昭和43年に施行された都市計画法に基づいて、住居、商業、工業などだいたいの土地利用を定めるものです。種類は13コに大別されています。この用途地域についてはだいたい5年に一回、全国一斉に見直しが行われています。

都市計画法 

第一条 この法律は、都市計画の内容及びその決定手続、都市計画制限、都市計画事業その他都市計画に関し必要な事項を定めることにより、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もつて国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。

2-1.用途地域13種類

1.第一種低層住居専用地域
2.第二種低層住居専用地域
3.田園住居地域
4.第一種中高層住居専用地域
5.第二種中高層住居専用地域
6.第一種住居地域
7.第二種住居地域
8.準住居地域
9.近隣商業地域
10.商業地域
11.準工業地域
12.工業地域
13.工業専用地域

用途地域の種類は12 種類と解説しているサイトがいくつかありますが、2017年の法改正により田園住居地域が追加され現在は13種類になっています。話がそれてしまいますので、ここでは詳しい説明を省きますが田園住居地域は第二種低層住居専用地域と同じような扱いと考えてください。

2-2.用途地域を調べる方法

各自治体(市役所など)の窓口に問い合わせることが一番です。
窓口の名前は各自治体ごとに異なりますが、まちづくり課や都市計画課といった呼び方をしているところが多いようです。もし、わからない場合は役所の総合窓口に聞いてみるとよいでしょう。
各自治体が販売する都市計画図でも確認ができます。

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また、最近ではインターネットで用途地域を調べることができる自治体が増えてきました。
ですから、調べたい地域の自治体のHPを確認してみることをお勧めします。

これで調べたい場所の用途地域が判明しました。
ではこの中で、簡易宿泊所を営業できる地域はどれなのでしょうか?

2-3.簡易宿泊所が営業できる6つの用途地域

1.第一種住居地域
住居の環境を保護するための地域。
3000m²までの一定条件の店舗・事務所・ホテル等や、環境影響の小さいごく小規模な工場であれば建てることができます。
2.第二種住居地域
10000m²までの一定条件の店舗・事務所・ホテル・パチンコ屋・カラオケボックス等や、環境影響の小さいごく小規模な工場であれば建てることができます。
3.準住居地域
10000m²までの一定条件の店舗・事務所・ホテル・パチンコ屋・カラオケボックス等や、小規模の映画館、車庫・倉庫、環境影響の小さいごく小規模な工場であれば建てることができます。
4.近隣商業地域
ほとんどの商業施設・事務所のほか、住宅・店舗・ホテル・パチンコ屋・カラオケボックス等のほか、映画館、車庫・倉庫、小規模の工場も建てることができます。延べ床面積の規制はありません。
5.商業地域
ほとんどの商業施設・事務所、住宅・店舗・ホテル・パチンコ屋・カラオケボックス等、映画館、車庫・倉庫、小規模の工場のほか、広義の風俗営業および性風俗関連特殊営業関係の施設も建ることができます。
延べ床面積の規制はありません。
また容積率限度もかなり高いため、高層ビルなども建てることができます。
6.準工業地域
主に軽工業の工場等、環境悪化の恐れのない工場の利便を図る地域で、土地利用の選択肢が多いことが特徴です。
しかしながら、花火工業や石油コンビナートなど危険性・環境悪化のおそれが大きい工場は建設することができません。

簡易宿泊所の許可をもらうには、用途地域が適合しているかどうかがポイントです。
適合していないと、当然ですが簡易宿泊所の営業許可は下りません。

3.民泊新法では用途地域が緩和された!?

180日制限はありますが、2018年6月に施行された住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)によって、本来ならばホテルなどの営業が許可されない下記の4つの用途地域が民泊OKとなったのです。

・第一種低層住居専用地域
・第二種低層住居専用地域
・第一種中高層住居専用地域
・第二種中高層住居専用地域

3-1.条例の存在に注意する必要がある

確かに住居専用地域で民泊事業ができるようになりましたが、注意してもらいたい点があります。
それは各自治体の条例の存在です。
条例とは各自治体が定めた法規のことです。
例え民泊新法が住居専用地域での民泊を許可していても、条例にて規制をかけている自治体があります。

例に挙げると‥‥

住宅宿泊事業と新宿区のルールについて

・住宅宿泊事業実施の区域と期間の制限

住居専用地域では、月曜日の正午から金曜日の正午までは住宅宿泊事業を実施することができません。住居専用地域以外では、曜日を問わず、法の規定どおり年間180日まで事業を実施することができます。

引用: 新宿区HP

まとめ

簡易宿泊所もしくは民泊事業(住宅宿泊事業)を始めようと思われる方はまず

・用途地域の確認
・各自治体による民泊に関わる条例の確認

をすることが重要です。
「うわ!失敗した!」とならないためにも事業を始められる前に役所や専門家の人に相談することが大切です。

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